沼津まるかわ製茶 川口幸男さんインタビュー

 



まるかわ製茶 川口 幸男さんプロフィール

フランス料理の料理人を経て、実家の「まるかわ製茶」を引き継ぐ。
平成13年から無農薬栽培を始める。
今では、日本茶だけに留まらず、オリジナルの紅茶、ウーロン紅茶も製造している。

お茶の香りが漂う、まるかわ製茶さんで、お話を伺いました。


Q.無農薬栽培を始めようと思ったきっかけは?

川口さん 最初は否定的でした。そんなことできるわけないと思ってたんです(笑)。

平成13年から始めたのですが、、その頃ちょうど、アレルギーの問題だったり、環境破壊だったり、
そういうことが取りざたされはじめて、 「安全なものをつくりたい」という思いから始めました。

お金(農薬代)をかけて、安全でないものをつくるというのは、何か間違っているように思います。

それに、人がやらないことをやるのが好きなんです(笑)。

Q.始められた後は何か変わりましたか?

川口さん 初めの3年間は、生産量が10分の1になりました。

1年目は、まだ前年の農薬が残っているから、良かったのですが、2年目からは、葉は虫に食われて、木が枯れてしまいました。

周りの畑から虫が集まってきますしね。

母からは、止めてくれと泣かれました。

Q.それでも続けられたのですね?

川口さん そうですね。3年間は、蓄えを切り崩しての生活でしたから、よく続けたと思います。




ただ、害虫が集まってくると、害虫を食べる虫が集まり、その虫を食べる鳥や爬虫類がやってきて、

畑の中で自然のサイクルができてくるようになりました。

お茶の葉っぱをアブラムシが食べる、それを食べにてんとう虫がやってきて、くもが巣を作る、鳥もお茶の木の中に巣を作るんです。

トカゲやへびもやってきます。大きな青大将がいて、母はびっくりして機械を落としたりもしました。

それに、お茶の木も人間と同じで、過保護にすると、「また、薬をまいて虫を退治してくれる」と思うので、何もしないんですけど、
薬をまかずにいると、「自分で何とかしないといけない!」と思い、自ら防衛するようになるんです。

なぜか分からないけど、前ほど虫が葉っぱを食べなくなる。木の防衛本能と自然のサイクルの相乗効果ですね。

Q.すごいですね。先ほど畑に行ったときに、てんとう虫やくもの巣を見つけました!
虫に食われている葉っぱもありましたが、そんなに多くないすね。
そうなるまでに3年かかったんですか?

川口さん  いえ、4年目でも、3分の1ほどの生産量でした。4年、5年と経つうちに、生産量が増えてきて、10年目でやっと1番茶が普通につめるようになりました。

今でも2番茶はダメです。 2番茶は梅雨の時期に入ると、炭素病などの病気が出てしまって、ダメなんです。

早く出たところを上手く摘めればいいですが、それ以降は無理です。赤くなってしまって、売り物にならないんです。

殺菌剤を使えば抑えられますが、殺菌剤を使った時点で、無農薬としてはみとめられません。

今までの苦労が水の泡になってしまうので、2番茶は、早い時期のものだけを摘んで、後はあきらめています。
自然には勝てませんから。




Q.午前中に茶摘みを行って、その後工場で直ぐに製造されるんですね。

川口さん そうです。茶摘みが終われば直ぐに製造に取り掛かります。

今は全て機械でやっていますが、きちんと目で見て、触り、茶葉の状態を確認しないといけませんから、一日中工場から離れられません。

特に、「蒸し9割」といって、このときに味が決まるといっても良いぐらい需要です。その後に表面の水分を飛ばしていきます。

そして、葉の表面に傷をつけ、旨味を出していきます。

次に茶揉みの機械をいくつも通過していくのですが、もみ方や、縒り具合が、機械によって違います。

昔は手だけでやっていたことを、それぞれ機械が分担してやっているんです。


 

Q.とても沢山の工程がありますね。

川口さん  はい。その都度チェックしながら、揉むときの茶葉への重さのかけ方などを調整することや、
茶葉を回転させる速度などで、水分を飛ばす量を調整していくので、常に茶葉を確認しないといけません。




その日の気温や湿度によって、水分が違ってきますから。

常に茶葉をさわって、状態を確かめていますから、実際私が一番、無農薬の恩恵を受けているかもしれません。

お茶を飲んでもらうお客様にも安心ですが、作る側にも安全で、環境にも優しいですしね。


Q.無農薬をはじめてから、お客様からの反響はいかがですか?

川口さん 最近になって、安全志向が高まったこともあり、お買い求めいただいたお客様からの口コミで広がり、お問合せを受けることが多くなりました。

ウーロン紅茶は、生産量も少ないので、予約を受け付けている状態です。


 

Q.ウーロン紅茶?初めて聞く名前です。

川口さん  
茶葉をウーロン茶は、半発酵、紅茶は発酵させて作るのですが、ウーロン紅茶は、そのちょうど中間のものです。

3年掛けて自分で機械をつくりました。

Q.すごいですね、手作りの機械ですか?

川口さん  はい、ウーロン紅茶は全てこの機械だけで作っています。
機械を3年掛けてつくり、ウーロン紅茶を完成させるまでに3年、計6年がかりです。

茶葉はもちろん、緑茶と同じ無農薬です。

Q.茶葉は、緑茶と同じなんですか?

川口さん  そうですよ。知らない人が結構いるけど、全て同じ茶葉です。

茶葉を発酵させずに蒸して乾燥させたものが、緑茶、
発酵させて乾燥したものが紅茶、
半発酵の状態で乾燥させたものが、ウーロン茶です。

掛川などに比べると知られていませんが、沼津はお茶作りが盛んで、緑茶はもちろん、昔は紅茶も沢山作られていました。

輸出もしていたぐらいです。

もっと沼津のお茶を知ってもらおうということで、毎年3月末に茶揉み保存会でイベントをしています。

沼津の茶産業に尽力した「江原素六」の記念公園があるのですが、そこで献茶式を行っています。

Q.名刺に、手揉資格:先生と記載されていますよね。手揉み茶飲んでみたいです!!

川口さん まるかわ製茶でも手揉み茶体験を行っていますので、次回はぜひ体験に来てください。

ぜひ、体験させてください!!

本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

ご購入はこちらからどうぞ!